フォント名についてるStd・Pro・Nって結局何なの?

クリエイティブ


フォントの英数字の謎

先日「使える定番フォント5選」と題して色々なフォントについて書きましたが、その続きみたいな内容を書いていこうと思います。

 

DTPデザイナーである我々は日々IllustratorやIndesignとにらめっこをしているわけですが、フォントを決めるときに出てくる検索窓はこんな風になっています。

同じような名前のフォントがずらり。でもよく見ると「Pro」やら「Pr5」やら「Pr6N」やら…謎の英数字が付けられていますね。

これらは、ざっくり言ってしまえば見栄えにそこまで影響しないので、テキトーに選んで使っている人や違いがよくわからない人も少なくないと思います。

今回はこれらの英数字の謎を解明していくとします。

正体は、Adobeが定めた基準!

結論から言うと、これらはAdobeが定めた規格の違いで名付けられています。

わかりやすく置き換えると、

「●●●フォント バージョン1.0」

とか

「●●●フォント バージョン2.0」

のように、それぞれ規格が違っているのです。

 

じゃあ、それぞれ何が違うのか。そこがキモとなってくるわけですが、早速それぞれの規格を細かく見ていきましょう。

 

その前に、今回付き合ってもらうフォントを紹介します。

見出ゴMB31

見出ゴMB31(みだしごしっくえむびーさんじゅういち)はオーソドックスなゴシック体で、筆の入りにアクセントを持っているのが特徴的です。

適度な黒みと比較的小さくまとめられた字面は、大きくしてもしつこくありません。視認性が高く、はっきりと文章の意味を伝える用途に適していますね。

長々となりましたが、このフォントを使って解説していきましょう。


Std

Stdと表記されるものは「Adobe-Japan 1-3」と言われる規格をもとに作られたフォントに付けられます。

Stdは「Standard」の略称になり、9354文字で1セットとなっています。

上記の画像のようにこれから紹介する規格の違いとは、表記できる漢字や記号の種類だということです。

スタンダードという名前からもわかるように、大抵の漢字や記号はこの規格でまかなうことができ、これから紹介する規格はこの規格からどんどん増強されたものとなります。

Pro

Proと表記されるものは「Adobe-Japan 1-4」と言われる規格をもとに作られたフォントに付けられます。

Proは「Professional」の略称になり、15444文字で1セットとなっています。

Stdから大幅に漢字が追加されており、人名や学術用語など、商業用の利用にも耐えうるバリエーションになっています。

上記の画像のように、ほんのすこし違いがある人名漢字って色々ありますよね。そういったマイナーな漢字がたくさん追加されたのがこのProになります。

Pr5

Pr5と表記されるものは「Adobe-Japan 1-5」と言われる規格をもとに作られたフォントに付けられます。

これは20317文字で1セットとなっています。

Proよりもさらに使用頻度の低い漢字を追加し、収録文字が20,000字を超えました、Stdの倍以上です。

上記の画像のように、何が違っているのかわかりづらいものまで収録されています。

Pr6

Pr6と表記されるものは「Adobe-Japan 1-6」と言われる規格をもとに作られたフォントに付けられます。

これは23058文字で1セットとなっています。

もはや何と読むのかわからない漢字が出てきました。ちなみに上記の画像の漢字は「恋」の旧字体「戀」に糸へんが付いたもので、読みは「レン」。意味は「絶え間なく続く 切れずに繋がっている」。漢字検定にも出てこない字らしいです。また一つ賢くなりましたね〜。

 

N

Nと表記されるものは「N付きフォント」と呼ばれたりします。

Stdに付い「StdN」となっていたり、Pr6に付いて「Pr6N」となっているものがありますが、簡単に言うと「旧字体表記の漢字が出てくる」と思ってもらって差し支えないでしょう。

このように、これまで紹介した漢字と違って、同じ漢字でありながら違う表記が存在する漢字を補完したものが「N」というわけですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

どんな違いがあるのかよくわからなかったものが、ある程度理解できたのではないでしょうか。

お仕事でどれを使おうか迷った場合、とりあえず収録数が多い「Pr6」を選べば問題はないでしょう。しかしながら、Pr6に対応したフォントはそんなに多くありません。Pr6は2004年に完成した規格ですが、対応フォントの数を見ればどれだけフォントを作るのが困難で難しいのか伝わってくるようです。

 

これらの収録差に助けられたと感じることは少ないかもしれないですが、フォントについて興味を持つきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

 

ライター:佐々木


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