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ここ数年、企業においてもSNSを運用するのをよく見かけるようになりました。
SNSは広告と違い無料で運用が可能であり、ファン(≒フォロワー)の数が目で見ることのできる非常に便利なツールです。
しかし、SNSを運用する企業が増えるにつれ「SNSのフォロワーが増えない」という悩みを耳にすることが多くなりました。
ここでは、SNSを運用する上で陥りやすい失敗や、SNSを運用した広報活動をするにあたって大切なSIPSについてご紹介します。
■SNS運用でよくある失敗について
企業でSNSを運用することは、個人におけるSNSの利用とはそのスタンスに大きな違いがあります。
運用の仕方を間違えると、どれだけ時間をかけても結果が出ないことになります。
ここでは、よくある失敗3選についてご紹介します。
SNS運用の失敗その1:SNSの特性を理解していない
SNS運用の失敗その2:媒体の特性を理解していない
SNS運用の失敗その3:その後の分析をしていない
SNS運用の失敗その1:SNSの特性を理解していない
SNS運用で最も陥りやすい失敗がこの「SNSの特性を理解していない」です。
一口に特性といっても「SNS全体の特性」と「媒体の特性」が存在しています。
まずSNS全体の特性というのは「双方向的なコミュニケーション」です。
SNSは基本的に返信機能やコメント機能が搭載されており、それらを通じてユーザーと企業の会話が可能になっています。
この機能を活かすことでユーザーは企業をより身近に感じることが出来、企業はユーザーの生の声を聴くことが出来るのです。
しかし、企業によってはSNS担当者は他の作業の片手間に企業のSNSを運用しており、こういったコミュニケーションを行えていないということもあります。
更には、bot(プログラム)のように固定化された一方的な「お知らせ」のみを投稿しているというケースもあります。
SNS運用の失敗その2:媒体の特性を理解していない
失敗その1にも関連する失敗として「媒体の特性を理解していない」という点が挙げられます。
企業SNSを運用するにあたってTwitterやInstagram、Facebook等様々な媒体を利用すると思いますが、同一の投稿を行うといった失敗が非常に多く目立ちます。
特に、失敗その1で挙げたような「お知らせのみ運用」をしている企業は特に同じような投稿を行う傾向にあります。
最近はSNSアカウントを連携することで同じ内容を投稿出来るのですが、これらは企業としてのSNS運用に当たっては逆効果に近いです。
Twitterは「ユーザーとの交流」、Instagramは「写真や動画でのイメージの共有」を意識した運用が必要になります。
特に最近ではショップ機能の連携により「企業でInstagramを運用して売上を上げたい」というご相談をいただくことも多いですが、Instagramは【映える】画像や動画が必要とされる為0からの運用の難易度としては非常に高いです。
SNS運用の失敗その3:その後の分析をしていない
SNSらしく媒体ごとに適した投稿をしたとしても、その後の分析まで及んでいないケースもあります。
投稿の表示回数やいいね、投稿内のURLをクリックした数など「エンゲージメント」と呼ばれる類の指標の解析や、ユーザーの性別や年齢層などの解析も最近では各種SNSで可能になっています。
「投稿に反響があったから嬉しい」ではなく「何故反響があったのか」を投稿内容以外の点から推定する為には解析を行う必要があります。
■SNSの活用を視野に入れたマーケティング、SIPSとは
さて、SNS運用にあたっての失敗についてお話させていただきましたが、ではどのようは運用を行えばいいのでしょうか。
その為に意識することがSIPSと呼ばれる購買行動のプロセスです。
SIPSとは、Sympathize(共感する)Identify(確認する)Participate(参加する)Share&Spread(共有・拡散する)の4つの項目で成り立ち、AIDMAやAISASとは違いソーシャルメディアの活用を前提としたモデルです。
AIDMAやAISASにおいてはAttention(注意)を集める為にコチラからの情報の発信をベースにしているのに対して、SIPSではソーシャルメディアにおいて届いた後どうするかという点からスタートしています。
Sympathize(共感する)
サービスや商品に対しての共感ですが、ソーシャルメディアでの「共感」には重要なポイントが2つあります。
1つ目は「誰が言うか」、そして2つ目は「何を言うか」です。
誰が言うか、において企業の場合は企業イメージや普段のユーザーとの関係性が非常に重要になります。普段の広報活動にいてユーザーとの信頼関係を築いておくことで共感してもらいやすくなる他、著名人や有識者が共感してくれれば非常に次のステップに進みやすくなります。
何を言うか、については商品やサービスについてもですが、ユーザー自身が「自分ごと」として捉えやすくなることが重要です。
Identify(確認する)
情報に対して共感をしたユーザーは、その情報が自分にとって有用かどうかを「確認」します。
検索や口コミなどの情報収集を行って、自分にとって有用であることを確認してから次のステップへと進みます。
Participate(参加する)
AIDMAやAISASのモデルにおいては「購買」があったポジションにあるのがこちらの「参加」ですが、必ずしも参加=購買ではありません。
TwitterなどのキャンペーンにおいてはRT(リツイート)などの拡散行動も「参加」と分類されます。
ソーシャルメディアにおいては自らが「参加」したことを共有する機能があります。
友人知人に共有されたその情報は更に広がり、別のコミュニティへと拡散されていきます。
■SNSの運用にあたって大切なこと
企業におけるSNS運用で大切なことは、すぐ先にユーザーがいることを意識して運用を行うことです。
ユーザーとのやり取りは「共感」して貰う為の関係性の構築にも繋がり、「共感」を得れる情報発信の手がかりにもなります。
SNSの発展により企業とユーザーの距離感はぐっと近くなりました。
新しい距離感とそれに合わせた購買行動を意識することで、SNSをより最適に運用することが可能になるのです。
ライター名:うまのお肉