目次
はじめに
検索連動型広告、それはインターネットユーザーが検索エンジンにおいて検索した言葉(検索ワード)に連動して表示される広告です。
広告主は自らの広告を表示させたい検索ワードを設定することで入札を行い、広告は様々な要素から算出される広告ランクに応じて表示されたりされなかったりします。
その中で非常に重要な要素となってくるのが「検索ワード」の設定です。
検索連動型広告の強みとして「モチベーションの高いユーザーへの訴求が可能な点」が挙げられることが多いのですが、何も考えずに検索ワードを設定して出稿を行っても高い費用対効果は得られません。
しっかりとしたターゲット設定や予測・分析を用いて運用することで検索連動型広告はその素晴らしい真価を発揮するのです。
本記事では、そんな検索連動型広告の検索ワードのお話をさせていただきます。
ビッグワード=高い費用対効果ではない!
まず、あなたがスマートフォンを販売するWEBサイトを運用していると仮定します。
インターネット検索において、「スマートフォン」と検索するAさんと「スマートフォン 購入」と検索するBさん、この2人の場合よりあなたの顧客となり得る人がBさんであることは言うまでもないでしょう。
しかし、「スマートフォン」と検索する人と「スマートフォン 購入」と検索する人の数はどちらが多いか?と言われた場合、それは前者となります。
このように多くの人が検索するような検索ワードのことを「ビッグワード」と言います。
ビッグワードは多くの人が検索し、目につけることから知名度を上げたい広告主などがこぞって広告出稿を行います。
対して、購入を促進させるECサイトに繋げる広告を出すような広告主はビッグワードから更に一歩踏み込んだワードを選択することが多いのです。
実際、検索連動型広告の運用目的にも依っては来てしまうのですが、購入や資料請求などユーザーにある一定の行動(コンバージョン)をとって欲しい広告主ほど細かいターゲット設定を行うのです。
指名ワードとは?入札すべき?しないべき?
指名ワードとは、検索ワードの中でも特定のものを指定するワードです。
会社名や、その会社が取り扱っている商品のことを指し、このWEBサイトで検索連動型広告を出すとすれば「C-room」という検索ワードは指名ワードとなります。
そして、その指名ワードで広告を出すか出さないか、というのは様々な議論が行われている内容でもあります。
実際、指名ワードで広告をだすと以下のような成果が見込めます。
(ⅰ)高いコンバージョン率を出せる。
(ⅱ)低いクリック単価で広告出稿を行える。
(ⅲ)他社による機会損失を防げる。
ⅰ高いコンバージョン率を出せる。
コンバージョンというのは「転換」という意味の英単語の通り、ユーザーの属性の変化のことを指します。
潜在顧客だった顧客が「購入」や「資料請求」等の過程を経ることで、消費者などの別の属性へと転換する、この変化をコンバージョンと言い、その確率をコンバージョン率と言います。
商品名などの「ある特定のモノ」を指す指名ワードを検索する人は、そのモノについて知りたい(または購入したい)というモチベーションが既にある一定以上あると推測されます。
故に、「(指名ワード) 購入」のような細かい検索ワードを設定しなくても、その商品やサービスの名称だけで十分にコンバージョンに繋げることが可能なのです。
ⅱ低いクリック単価で広告出稿を行える
低いクリック単価で広告出稿を行える、というのは広告の品質スコアに関連してきます。
自社や自社商品そのものを指す指名ワードで、そのサイトや商品に繋がる広告を出す、それ以上に高い関連度のものはありません。必然的に高い品質スコアとなることから、低いクリック単価において広告を出すことが可能になってくるのです。
ⅲ他社による機会損失を防げる
これは競合他社が検索連動型広告を出稿している場合に得られる利点です。
またスマートフォンの例にはなりますが、あなたの会社が「C-room phone」というスマートフォンを販売している会社で、指名ワードに対しての入札はしていないとします。
「C-room phone」という検索を行うユーザーはそのスマートフォンに対して高い関心を持っていることが伺えます。
そこに、同じようなターゲットを持つ競合相手の会社が検索連動型広告を出稿したとすればどうなるでしょうか。
検索連動型広告は自然検索よりも上に表示されることから、ユーザーは最初に競合相手の広告を目にすることになるのです。
これが即競合にユーザーを奪われるかと言われると、そうではありません。
ユーザーは実際に「C-room phone」で検索しているのでその商品に対しての興味関心を抱いています。
しかし、一定数のユーザーは競合相手の広告から別のサイトへアクセスし、そちらでコンバージョンをしてしまう可能性があるのです。
それを防ぐために指名ワードに入札する、という選択肢があるのです。
この3点が見込める成果です。(1)と(2)は攻めの理由、(3)は守りの理由と言えるでしょう。
メリットばかり挙げると指名ワードへの入札を行ったらいいのでは? となるのですが、未だ会社や商品が無名の状態で指名ワードへ入札したとしても検索数自体がなければ広告が表示されないので意味はありません。
それに加えて競合が無ければ自社の広告が出た真下に自社の自然検索が出ることもあるので、全ての方が指名ワードへ入札を行うことでメリットを享受できるというわけではないのです。
競合相手の指名ワードはアピールチャンス
検索連動型広告を運用するにあたって、競合の状態は非常に注視すべきところです。
そして、運用担当者は時折「競合の指名ワードへの入札をしませんか?」という提案を行うことがあります。
答えは、先ほどの(3)にあります。競合の商品・サービスを見に来た顧客に対してのアピールを行うのです。
競合の商品と自社の商品・サービスで細かいところは違えど、大きな用途などは変わらない筈です。
実際、検索を行ったユーザーが「その特定のモノ」を欲しいわけではなく、「そんな感じのモノ」が欲しい場合は内容や価格で十分に勝機があるでしょう。
必ずしも競合からユーザーを持ってこれるというわけではありませんが、やってみる価値のある施策ではないでしょうか。
なお、この場合は広告の品質スコアがあまり高くはならないのでクリック単価が少々高くなる傾向がありますので、予算とご相談してみてください。
まとめ:競合の分析も欠かせない
今回は検索連動型広告における検索ワードについてお話をさせていただきました。
もっと奥深いところも沢山ある検索ワード、広告運用を行う会社によってはそう言ったワードの選定や結果のレポートなども行ってくれる会社もあります。
高い費用対効果が見込める広告ですので、取引を行う会社がどこまでサービスを行っているかを慎重に見定めてみては如何でしょうか。
ライター名:うまのお肉
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