最近マーケティング界隈でよく耳にする「ホワイトペーパー」。なんとなく分かるような、分からないような。今回はそんなホワイトペーパーについて、その中身と、どうして今ホワイトペーパーをつくるべきなのかをご紹介したいと思います。
そもそもホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーはその大本をたどると、イギリスで内閣が議会に提出していた報告書のことで、それを日本は「白書」と訳して輸入しました。白書と聴くと私は「いちご白書をもう一度」を想起してしまいますが、Googleで「白書」と検索してみると、一番最初に出てくるのは首相官邸ホームページ。現在の日本でも白書は各府省庁で公開している年次報告書を指します。その報告書には政治経済などの社会情勢や政策・施策の分析結果がまとめられていました。そうした情報を公開することで、国民に政策や行政のことを周知していたのです。
今回話題に上げたのは、マーケティング分野で再輸入された「ホワイトペーパー」。もともとが「社会情勢や施策の分析結果の報告書」だったということで、マーケティングにおけるホワイトペーパーも、「顧客の課題解決をするための情報をまとめた資料」を指します。
ホワイトペーパーの役割
ホワイトペーパーの役割は大きく3つあります。
1 ナーチャリング(育成)
ホワイトペーパーは課題解決のための情報をまとめた資料です。つまり、それらに関心があるということは、課題を抱えている(=潜在顧客)ということにほかなりません。
そうした人に情報を公開するということで、御社の提供している製品やサービスへの認知・理解を広め、関心を持ってもらう、果ては購入・導入してもらうということへつなげることができます。
潜在顧客を顧客へとナーチャリングするためにも、ホワイトペーパーは課題解決に役立つ有益な情報である必要があります。
2 見込み客の情報獲得
これはマーケティングオートメーション的な視点になりますが、資料をダウンロードしてもらうときにフォームに会社名や業種、メールアドレスを入力してもらうことで、見込み客の情報を獲得することができます。
有益な情報を与えたい相手は、競合会社でも協力会社でもなく、まだ取引はしていないけれど自社の商品やサービスで解決できるような課題を持つ見込み顧客ですよね。
昨今はインターネットが発達したことで、そうした見込み顧客が自ら情報収集し、WEBサイトを訪れてくれることもあります。しかしWEBサイトを見てもらうだけでは、ただアクセス数としてカウントされるだけでしかありません。
そこで、ホワイトペーパーを公開し、ダウンロードの際に会社名や氏名などを入力してもらうことで、「問い合わせをするほどではないけれど、情報を収集したい」という潜在的なニーズを持った見込み顧客の情報を得ることができ、こちらからもアプローチが出来るようになるのです。
ただし、情報の収集には利用目的を明らかにする必要があるなど、個人情報保護法に関連する部分もありますので、ご注意ください。
3 既存顧客とのコミュニケーション
これは副産物的な使い方ですが、ホワイトペーパーはただWEBサイトへ公開してダウンロードを待つ以外にも使い道があります。
たとえば、営業が導入しようか迷っているような顧客に、ホワイトペーパーをお渡しして参考にしてもらったり、サポートセンターがあるようなら、そこでのレクチャーに使用したりとすでに取引のあるクライアントとのコミュニケーションにも活用ができてしまうのです。
よく問い合わせがあるような内容や、導入後に起きやすいトラブルは解決方法を資料に落とし込んでしまえば、既存顧客が読んでも役立つ、ホワイトペーパーとして見込み客を獲得できる内容となるわけです。
まとめ:WEBマーケティングに効果的!
わかりそうでわかりにくい「ホワイトペーパー」と、マーケティングで担う役割3つをご紹介しました。WEBマーケティングで必ずや効果を発揮します。しかしつくるのに大変な労力もかかるやっかいなシロモノ。ぜひ今から1つずつこつこつとつくりはじめてはいかがでしょうか?
ライター:おまけ