目次
「ECサイトを作りたい」
「SNSで自社の製品をアピールしたい」
自社の商品を販売するためには、その商品の画像が必要となってきますよね。
認知心理学によれば、人があるものを見て判断するまでにかかる時間は3秒、その後魅力があるかを判断する時間は4秒ほどと言われています。つまり7秒で商品の魅力を伝えなくてはいけません。
実際に手にとって確かめられない商品を購入してもらう。
そのためには視覚に飛び込んでくるファーストビュー(画像)がどれほど大事なことかお分かりいただけるかと思います。
画像イメージでいかにユーザーの心を掴むか、つまり「シズル感」が大切なポイントとなってきます。
そもそも「シズル感」とは?
水滴のついた果物のみずみずしさや、ジューッと焼ける肉の音、目や耳にした瞬間に「美味しそう!」と感じるような五感を刺激する表現のことを指します。
この言葉は食べ物に使われるイメージですが、本来はピカピカなメタリックの曲線であったり、柔らかそうなタオルのふんわりとした繊維だったり、購買意欲を湧き上がらせるようなもの全般に対して使われます。
つまりはユーザーが購入したい!と考えるきっかけとなるもの(欲しい理由)が「シズル」と言えます。
シズル感のある商品画像を撮ろう
まずは基本的な部分ですが、適切な明るさが必要です。暗くて陰気なイメージは良くないですし、明るすぎてディティールが飛んでいるものもダメです。そして商品のメリットが表現されていることが「シズル感」に繋がるということを前提に、構図を考えるところから始めましょう。
食べ物なら「美味しそう」、製品なら「使ってみたい」と思わせるためにはどんな写真が良いでしょうか。基本的な2STEPをご紹介します。
STEP1.構図
例えばピザを売りたいとします。
まずは撮影する画像が「商品説明画像」なのか「イメージ画像」なのかを考えましょう。
「商品説明画像」とは、その名の通り商品の説明をするための役割を果たす画像です。生地の厚みや具材は何なのか、全体の形や大きさはどれくらいなのか、そんな情報をユーザーに伝える画像です。
対して「イメージ画像」とはシーンを連想させるような画像です。
ピザを掴んだ時にとろっと溶けるチーズを見せたり、ファミリーサイズが売りならワイワイと数人でピザを食べている画像も良いかもしれません。ユーザーがそのピザを食べている想像がつきやすくなるような画像を指します。
どちらかと言えばイメージ画像の方が「シズル感」を意識したものになるかと思います。
そして、どちらの画像を撮るにせよ必要なことが2つあります。
(1)見せたいもの(商品)を引き立たせる
構図を考えるときに、メインをどこに持ってくるかは重要です。
いくつか構図例を挙げます。
見せたいもの(商品)をシンプルに見せる「日の丸構図」
センターにドーンと商品を持ってくる構図。見せたいものが誰にでも分かりやすくインパクトがあります。
「三分割法」
画面を上下左右に三分割し、その交差点上に主題を持ってくるという構図です。
先ほどのイメージ画像例もこちらの構図ですね。誰でも簡単にバランスが取れ、見栄えの良い画像となります。
「アルファベット構図」
代表的なのが「S字構図」と「C字構図」です。「S字構図」は滑らかな曲線を描くことで動きを出し、優美さや遠近感を出してくれます。「C字構図」はわざと写真の端を見切らせて、画面の片側に重心をずらすイメージです。被写体を大きく見せると同時にまとまりが出るため、こちらは料理本などでは定番の構図となります。
S字構図
C字構図
(2)余計なものは切る
商品を邪魔する余計な要素は削除しなければいけません。テーブルコーディネートは商品を引き立たせるためのものなので必要な要素と言えますが、例えばテーブル上のティッシュケースであったり、椅子であったり、壁のポスターであったり、無用なものは外しておきましょう。違和感のあるものを入れてしまうと悪目立ちして商品に目が向きにくくなります。
構図を決める際には上記の2つを意識してみてくださいね。
STEP2. 光を操れ!素人でもなんとかなる「日光」最強説
写真には光がとても重要です。
薄暗いのっぺりとした写真では「シズル感」はおろか商品の良さが伝わりません。
商品スタジオもないし、ストロボやレフ板もない。そんな方でも大丈夫!
一番シンプルでお金がかからない方法として「太陽光」を使うことをお勧めします。
ただしお天気はこちらの都合にお構いなしで刻々と変化しますので、その辺りはご了承ください。
撮影に適しているのは実はうっすらと曇っている日。
なぜなら太陽光が強過ぎるとコントラストが強くなりすぎてしまい、硬い印象の写真となってしまうからです。
とはいえ対処法もありますのでご安心ください。日差しが強すぎる場合は、手前にレフ版または白い紙などを置きましょう。そうすることで反射した光が影を弱めてくれます。
もしくは窓際のガラス越しでの撮影や、トレーシングペーパーを太陽光と商品との間に挟んで撮影することで光を和らげることもできます。
基本的には逆光かサイド光で撮影します。こうすることで立体感が出て、食べ物なら美味しそうに見え、液体なら透明感を表現することができます。
温かいものなら湯気を出したり、照り感を出すために表面にオイルを塗布したり、水滴をつけるのも「シズル感」の演出には効果的ですよ。
下の画像は逆光で撮影したものです。
先ほども説明したように、イメージ写真を撮影する場合は、写真の中に全体を入れ込むのではなく、あえてC字構図ではみ出させたり、余計なものが映り込まないように注意することもお忘れなく。
工夫すれば暗い部屋でも撮影可能
じゃあ雨だったり、完全な曇天だったらどうするの?という声が聞こえてきそうですが、室内で撮影するなら、やはりストロボなどの機材は必要になってくるかと思います。
ストロボを使うことで晴天時をイメージしたような明るくて立体感のある画像を撮影することができます。今後も継続的に撮影する場合は、最低限の機材を揃えてみるのもおすすめです。ただし商品が大型のものは素人撮影ではかなり難易度が高いため、プロにお任せするのが一番ですよ。
またSNSなどで投稿する際には、メインカラーを決めて写真の色を合わせたり、引いた写真とアップの写真を交互に載せて強弱を付けてみたりと、全体的な統一感も意識できるとグッとクオリティが上がりますよ。
ぜひ参考にしてみてください。
ライター:セイマサ