クライアントとクリエイターの想いをつなぐ「ディレクター」の仕事

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そもそも「ディレクター」って何?

テレビのバラエティや情報番組を見ていると「ディレクターの誰々」と会話の中によく出てきますよね。また、映画好きな方なら、映画館での上映を見たのち、編集の異なる「ディレクターズ・カット版」をレンタルして見比べるといったことをされると思います。

英語では企業の取締役のことも「ディレクター」と訳しますが、この「ディレクター」という言葉。実際にはどのような意味を持つのでしょう?

フリー百科事典『ウィキペディア』によれば「ディレクター または ダイレクタ (: director)とは、監督全般を指す言葉」とあります。この「監督」という言い方。なかなか的を射ているなと思いますが、では具体的にどのような役割を担っているのでしょうか。

 「ディレクター」ってどんなことするの?

「ディレクター」と一言にいっても、その役割・業務は業界や企業内の立場によりさまざまです。以下は、私が身を置く、印刷業界での「ディレクター」について書いていきたいと思います。

印刷会社やデザイン会社と呼ばれる企業に属するディレクターは厳密にいうと「アートディレクター」(略してAD)が多いと思います。

ADとは「美術表現、芸術表現をもちいた総合演出を手がける職務(中略)商業活動のなかでは、広告宣伝グラフィックデザイン装幀などにおいて、主に視覚的表現手段を計画し、総括、監督する職務」(ウィキペディア引用)のことです。

ただ、職務範囲が人によって様々。責務の中心になるのは、実制作者が作ったものをチェックし、それに数度の修正指示を加えて完成に近づけていくことです。が、場合によっては、企画・提案に始まり、予算取り、デザイナーやライター、カメラマンなど人の手配およびチームづくり、制作の進行管理、制作物の内容チェック、クライアントとのやり取り、最後には請求書の作成、制作に掛かった費用の支払いまで行います。結構大変でしょ。

「ディレクター」に必要な2つのスキルとは?

ディレクターの仕事をとても簡単に言えば、依頼人(クライアント)の「こんなのを創って欲しい」という思いを「こんなの」になるように「監督」し導くのが職務です。で、「こんなの」に仕上げるため、「ディレクター」には2つのスキルが必要とよく言われます。

それは、「調整力」と「コミュニケーション能力」です。例えば、一つの案件・プロジェクトであっても、デザイナー、ライター、カメラマンといったクリエイター、そしてクライアントの方々、場合によってはそのほか(プロデューサーや担当営業など)、社内外問わず様々な人たちとの関りは避けては通れません。

こういった立場の異なる多くの人たちの中心にたち、やり取りを円滑に行い、滞りなく工程を推し進めていくには、やはりこの2つのスキルは不可欠です。

そのため、ある程度の知識と経験が必要となるので、20代前半のようなすごく若いディレクターに出会うことはそうそうありません。

素敵なディレクターと出会うには?

では、あなたがクライアントの場合、自分が思う「こんなの」を創ってくれるディレクターに、どうやれば出会えるのか!!

う~ん、それは、残念ながら「運」としか言いようがありません。これまで、信頼できるディレクターとの出会いがなく、例えば、ウン十億といった予算を掛けて絶対に失敗できないような案件に関しては、やはり大手の広告代理店や印刷会社に依頼されることをお勧めします。
なぜなら、これらの会社であれば、社内または関連の外部協力者含め人材が豊富なので、あなたの希望する「こんなの」に仕上げてくれるディレクターに出会える確率が高いからです(あくまでも確率ですので絶対ではありませんが)。

では、中小の印刷会社やデザイン事務所はダメなのか?いえ、一概にそうとは言えません。
なぜなら、それらの企業のなかにも大手で実績を積んできたが、さらに専門性を求めるため、また逆に自分の領域を広げることを求め、転職したり、思い切って会社を立ち上げたり、なんて方もかなり多くいるからです。

当然ながら、こういった方たちの意識や能力はかなり高いものがあります。また、「ディレクター」を育てる社内の指針や教育環境が充実しているところも少なくありません。
さらに、その他のメリットとして、人手をあまりかけられない事情もあり、ディレクターでありながら例えばデザイナーと兼務しているような場合も多く、クライアントであるあなたとの意思疎通が非常にスムーズに行える、といったことなども挙げられます。

現在では、世の中の印刷物が減っているという事情もありますが、安価なネット印刷業者が紙面デザインまで行っていたり、デザイン・制作会社が「お試し」的に安価でデザイン・制作を請け負っていたりします。
初めに「運」と書きましたが、何もしなければ「こんなの」を創ってくれるディレクターとの出会いはありません。ホームページ等で実績等を確認、吟味したうえで、「お試し」的に発注してみる、まずはそこから始められることをお勧めいたします。

 

ペンネーム・肩メロン


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