今さら聞けない、紙の厚みとその重さ

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1.はじめに

職業上印刷物の発注を受ける機会が多くあるのですが、その際に「コート紙90kgでお願いします」「マットコート紙110kgでお願いします」とご注文をいただく場合があります。

 印刷関係に携わる方でしたら何の疑問もなく「かしこまりました!」と注文の意図を理解してそのまま印刷の工程に進めることが出来ると思います。しかし、「紙の厚さの単位が何故kgなんだ?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際同じ厚みの紙であったとしても、お客様によっては90kgで注文をいただく場合と62.5kgでいただく場合もあります。業者によってもコート90kgをコート62.5kg記載する業者もあるほどです。「同じ厚さの紙なのに何で重さが違うの?」という不思議現象を解く鍵は『紙のサイズ』にあるのです。

 

2.紙の大きさ:「原紙と~判」について

 紙の厚さと重さの関係を説明する上で、印刷の工程についての説明を省くわけにはいきません。

 A4で印刷する場合、A4用紙をプリンターにセットして刷り上げる———というのが多くの方の認識であると思います。実際家庭用のプリンターや、オフィスのコピー機であったとしてもそのようにして印刷を行うのですが、印刷業者においてはそれが異なります。

 印刷屋では「原紙」と呼ばれる大きな紙に幾つもの印刷を行い、それを最終的にA4ならばA4、B5であればB5に断裁を行います。その原紙が紙のkgに関わって来ます。

 原紙と一口に言ってもその大きさには幾つかの種類があり、JIS規格においては「A列本判」「B列本判」「菊判」「四六判」「ハトロン判」の5種類が定められています。

 余談ではありますが、A列本判はA1の用紙(594㎜×841㎜)よりも一回り大きく、B列本判の用紙はB1の用紙(728㎜×1,030㎜)よりも一回り大きくなっています。

 さて原紙の種類とその大きさについて説明したところで、厚さと重さの話に戻ろうかと思います。一言で表すならば、紙の厚みを表す重さ(“連量”と呼びます)は原紙1,000枚(=1連)で何㎏になるかで決定しています。

 「コート90kg」とは、「原紙を1,000枚集めた時の重さが90㎏になるような厚みのコート用紙」という意味になるのです。

 

3.用紙の種類の特徴とその連量

 印刷の発注をするにあたり、チラシやリーフレット、パンフレットなどで良く用いられる用紙として「マットコート紙(光沢紙)」、「マット紙」、「上質紙」が挙げられます。

 

 コート紙の特徴としてはつるつるとした手触りで、写真やイラストの表現に優れています。チラシやポスターなどに使われることが多い用紙となっています。

マットコート紙は、コート紙ほどの光沢はありませんが、落ち着いた印象がある為写真や文字が混在する場合に優れています。こちらもチラシなどに用いられることが多いのですが、文字などが入っている場合はこちらの用紙の方がオススメです。

上質紙は光沢こそありませんが筆記性が高いことが特徴で、文字の書き込みなどをして貰うための用紙として最適です。アンケート用紙や応募用紙等に用いられています。

 各用紙における連量は以下の通りとなっています。

4.坪量について

 さて、連量の話をすると決まって出てくるのが「坪量(つぼりょう)」という単位になります。「米坪」「メートル坪量」とも呼ばれる単語ですが、その単位は「(グラムパー平方メートル)」と書かれることから、「1平方メートルあたりの重さ」を表す単位となっています。こちらも先ほどの連量と同じく重さを表す単位ではありますが、用紙が厚くなればなるほど重くなるので坪量が重い=厚い用紙ということになります。コピー用紙などではどちらかというと連量よりもこの坪量が多く用いられるケースがあります。

 

5.まとめ

 ここまで用紙の種類とその重さについてお話をしました。

 印刷の発注をする際に「~紙~kg」と注文するのではなく、「~紙~判にて~kg」と注文いただけば厚みに関して意思の疎通が滑らかになるのではないでしょうか。

 

ライター名:うまのお肉


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