商品やサービスが溢れている現在、各企業において競合他社との差別化は非常に重要度の高いものとなっていることでしょう。
営業活動に用いられる提案書や、プロモーションの一貫として用いられる広告やLPにおいてもそれは同様です。
企画段階においてはユーザーのニーズを調査して新商品の開発や新市場での販売といった方法を行いますが、いざ市場に一定の参入が見られるとこの問題に差し掛かります。
今回はそんな競合他社との差別化や、サービスの紹介にも有効な2つ法則と活用例についてお話させていただきます。
1.効果と法則
(a)バンドワゴン効果
1つ目はバンドワゴン効果と呼ばれる心理効果です。
バンドワゴン効果とは「多くの人がある1つの選択をしているという状況が、その選択を選ぶ人を増やす効果」のことです。
「みんながやっている」「人気だから」という理由での行動はこの効果によるものとされ、「行列が行列を呼ぶ」はまさにバンドワゴン効果を表しています。
(b)権威性の法則
2つ目は権威性の法則です。
権威性の法則とは「(専門家や上司などの)権威のある者の言葉に従いやすくなる法則」です。
多くの人は専門家のアドバイスや上司からの指示には、(相当不可解な点が無い限り)素直に従います。これは専門家や上司が自らより豊富な知識と経験を積んでおり、自らの行動の指針となるようなアドバイスや指示をくれると無意識に理解しているからです。
権威性を感じるポイントは人それぞれですが、多くの場合は「肩書」や「見た目(服装や持ち物)」「言葉」に影響されると言います。
2.それぞれの活用例
(a)No.1表記
バンドワゴン効果を用いる為に効果的なのが、「No.1表記」と呼ばれる表記です。
これは商品・サービス紹介のLPのファーストビューや広告のバナーなどに多く用いられる手法で、商品・サービスが1番であることを表す情報の記載を行うというものになります。
「No.1になる」=「人気がある/みんなが選んでいる」という事であり、それらの大多数の選択によって購買活動を促進させる効果があります。
多くの商品を取り扱うモール型ECサイトで類似商品から頭一つ抜き出る為によく用いられています。
注意すべき点として、No.1表記にはデータの根拠の記載が必要な場合も多くありますので、あくまで根拠に基づいた表記が必要となります。
(b)専門メディアでの掲載事例
権威性の法則を用いる為に効果的なのが、「専門メディアに取り上げられたという実績」となります。
美容品であれば数多くの美容品を紹介・評価しているメディアなどに取り上げられれば、「美容専門メディア○○で紹介!」などというキャッチフレーズと共に紹介することが可能になります。
その肩書(文言)があるだけで、その分野の情報に敏感な人は商品やサービスに対して深い興味関心と良い印象を抱いてくれる筈です。
他にも分野に詳しい(権威のある)人の愛用事例やオススメのコメント等があれば一緒に掲載することで商品の強力なバックボーンを持たせて信頼を得ることが可能になります。
商品の店頭での紹介ポップなどで用いられる手法です。
3.大事なポイント
この2つの効果と法則は、顧客に対して「安心感」を与えるという点において共通しています。
商品やサービスが溢れる社会だからこそ、顧客は少しでも低価格や高品質といった「良いもの」を探しています。これらの効果は、顧客に対しての「良いもの」であるというわかりやすい指標の提示なのです。
当然ですが、「良い物ですよ!」という過剰なアピールは、顧客にとって「押しつけがましい」と思われてしまい逆に不信感を抱かせる原因ともなってしまいます。
先ずは自社の商品・サービスを用いるお客様は他の商品と比較して何をメリットと思い購入してくれているのかという内部分析と、選ぶ際に何を重視しているのかという外部分析が必要になります。
あくまで、「顧客がどの情報を欲しているのか」を意識したプロモーションが必要となってくるのです。
4.まとめ
提案書や広告・LPなどで用いることが出来るバンドワゴン効果と権威性の法則についてご紹介させていただきました。
必ずしもNo.1表記や専門メディアでの掲載実績等が必要なわけではありませんが、顧客に「安心感」を持っていただくために「過去の事例」や「購入者(導入者)のコメント」等も効果的です。
顧客が持つ企業への「安心感」はいずれ、ファンやロイヤルカスタマーといった顧客層を転換させるにあたって非常に重要なポイントとなります。
新たなプロモーションの施策や制作を行う際に、取り入れてみてはいかがでしょうか。
ライター:うまのお肉