アーリーマジョリティに刺さるキャッチフレーズ

マーケティング


世の中へモノが浸透する仕組み「イノベーター理論」

「アーリーマジョリティ」という言葉は、マーケティング論のひとつである「イノベーター理論」の中に登場します。
「イノベーター理論」とは、新製品や新サービスなどが世の中に普及する過程を、次の5つのグループに分類した理論のことをいいます。

 

  1. イノベーター(革新者): 新しいモノがでたら真っ先に飛びつく。良し悪しはあまり関係ない。例)「〇〇の新作が出るんだって!当然並ぶでしょ!」
  2. アーリーアダプター(初期採用者):流行に敏感で新しいモノ好き。自ら情報収集を行って判断する。例)「新作の〇〇。一足お先に試してみたけど、すごく良かったよ!」
  3. アーリーマジョリティ(前期追随者):新しいモノに対して比較的慎重だが、全体平均よりは早く取り入れる。例)「テレビで紹介してた〇〇、良いらしいから私も買ってみようかな!」
  4. レイトマジョリティ(後期追随者):新しいモノを採用することに懐疑的。大多数の人が取り入れた後に採用する。例)「なんか最近、皆〇〇持ってるよね。あれってどうなんだろう?」
  5. ラガード(遅滞者):流行に関心が薄く、保守的。一般的に普及し、自分自身に弊害が生まれてようやく取り入れる。例)「〇〇って何?私には必要ないかな。」

 

上から順番に、新たに登場した製品やサービスを取り入れていくのが早い層で、それぞれの市場での割合は下図のようになっています。

今回ご紹介するアーリーマジョリティは全体の34%を占めており、レイトマジョリティと並ぶ市場のボリューム層といえます。

 

世の中への浸透を阻む「キャズム」

イノベーター理論では、アーリーアダプターからアーリーマジョリティへと、新しいモノが浸透していくかどうかがカギとなります。この二つの層の間にある、越えなければならない壁のことを「キャズム」といいます。イノベーターとアーリーアダプターを合わせた市場全体の16%を超えることで、新しいモノは加速度的に世の中へ浸透していくといわれています。

 

流行に乗り遅れたくないけど慎重派「アーリーマジョリティ」

キャズムを超えて商品の市場への普及を目指すには、アーリーマジョリティの心を掴むことが重要。アーリーマジョリティについて、もう少し掘り下げていきましょう。

 

彼らは新しいものに興味はあるけれど、比較的慎重に買うかどうかを判断します。そのきっかけとなるのは、アーリーアダプターの動き。例えば憧れのモデルのSNSで「これを使って痩せたよ!」という投稿を見かけたら、アーリーアダプターはまずその商品に興味を持ちます。さらに、値段や機能などを自分で調べて、「これは私にも効果がありそう!」と商品のメリットを感じた場合に、初めて購入に至ります。つまり、流行っているからという理由だけではなく、自分にとって良いと思えるものを自ら選択するのがアーリーマジョリティです。

 

アーリーマジョリティに刺さるキャッチフレーズとは?

そんなアーリーマジョリティに対して、具体的にはどういったアプローチが有効なのでしょうか?これに関して、実はまだ必勝法といわれる理論はありませんが、彼らの特性をふまえると、イノベーターやアーリーアダプターによる評判と、実際にアーリーマジョリティのニーズに沿うような商品情報をしっかりと伝えることが効果的だといえます。いくつか例を挙げてみます。

 

例①      最大2時間待ちの行列!圧倒的コスパで飛騨牛を味わえる岐阜の超人気焼肉店とは?
―参照:ウォーカープラスhttps://www.walkerplus.com/article/187032/

→「2時間並んででも食べたいなんて、よほど安くて美味しいんだろうな。」

 

→「まだ何も予定を立てていなかったけれど、今からでも計画してみようかな!」

 

  • 週末3日間だけの集中ケアで脚やせ!モデルも実践する美脚への魔法のメソッド
    ―参照:ダ・ヴィンチニュースhttps://ddnavi.com/review/533020/a/

→「たった3日だけでいいんだ!著者はモデルのトレーナーもやってるみたいだから効果ありそう。」

 

アーリーマジョリティに効果的なのは「数字」「話題性」「お墨付き」

例①は具体的に“2時間並んででも”という数字を出すことで、話題性を強調しています。例②では“まだ間に合う”という表現によって、「乗り遅れたくない」という気持ちを駆り立ててます。例③からは“週末3日間だけ”という手軽さと、“モデルも実践”という効果のお墨付きを感じ取れます。

アーリーマジョリティが新商品を購入する際に重視するのは、商品が流行していて、かつ自分にとってメリットがあるという点。「数字」「話題性」「お墨付き」を盛り込んだキャッチフレーズで、うまく商品の魅力を訴求していきましょう。

 

ライター べす子

 

https://ferret-plus.com/8298
https://tech.s-cubism.jp/blog/archives/3606
https://swingroot.com/innovator-theory/#st-toc-h-7
https://manpower-training.com/4450.html#i-10


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