代理店やWEB広告出稿の担当者からフリークエンシー(frequency)の設定はどうしますかと聞かれて・・・「フリークエンシーって何?」と思ったことはありませんか。
フリークエンシーとは、Web広告とユーザーの接触頻度(回数)のことを言います。
※ちなみにリーセンシーとは、Web広告の接触の間隔(時間)のことを指します。
インターネットのユーザーが広告をクリックしたかどうかではなく、表示された広告との接触頻度です。では、「フリークエンシーの設定はどうしますか」の問いに対しての答えは?
WEB広告は有効なターゲティングが可能だから、ターゲットに対し少しでも多く表示させた方が効果は高いはず。だから接触頻度の設定は「最大化!」
…というのは大きな間違いです。
場合によってはマイナスブランディングとなる広告
企業・商品・サービスを認知してもらう目的でWEB広告を出稿しても、逆に否定的なイメージを持たれるケースがあります。
例えばYouTubeを閲覧していて興味のある動画を観たい時に、その動画を見る前に無関係な動画広告が流れ、しかも同じ広告が何度も表示されて「うっとうしい」と感じた経験がありませんか。
一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が行った「2019年インターネット広告に関する意識調査」では、インターネット広告のイメージとしてPC利用者では「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」が31.3%で1位、スマホ利用者でも「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」が37.8%とさらに高く、もちろんこちらも1位となっています。
潜在的な見込み顧客に接触した時点で、ネガティブなイメージを持たれてしまうのは非常に残念なだけでなく、大きな機会損失につながっているケースもあるのです。
フリークエンシーキャップを設定し最適な表示回数に
だからこそ、WEB広告の接触頻度はマイナスブランディングとならないようにコントロールする必要があるのです。また、ネガティブな印象を与えてしまうまでは行かないまでも、接触頻度が高すぎて広告の効果が低くなってしまう場合もあります。
そこで、フリークエンシーキャップ(frequency)を設定するということになります。
何回でキャップをかぶせるのが最適なのか考えよう!
例えばGoogle広告でディスプレイ キャンペーンを配信していたとします。
Google広告では、キャンペーンにおける 1 人のユーザーに対する広告の表示回数を、日単位、週単位、月単位で、あるいはこれらを組み合わせてコントロールできます。これがフリークエンシーキャップの設定です。
ここで、だいたい1日5回くらいがネガティブなイメージを持たれない妥当な回数ではないだろうかと個人的な感覚だけでフリークエンシーキャップを設定するような運用担当者はいないでしょう。
そもそもフリークエンシーが少なすぎると見込み顧客を逃してしまう可能性もあるのですから。
では、フリークエンシーキャップの最適な回数は何の指標を元に、どのように数値化するのが正解でしょうか。
実は、最適なフリークエンシーの回数は業界や商材で異なりますし、判断がつきにくく、大変難しい問題なのです。
そもそも、今まで世の中になかった商材やサービスを訴求する場合は、フリークエンシーを高めて認知拡大をゴールとした方が効果が高い場合もありますし、商材・サービスの認知は十分あり競合他社との差別化を打ち出した煽り系の広告は、フリークエンシーを高めすぎるとユーザーの不快感につながる恐れがあります。
そこで、費用対効果を求める運用担当者はフリークエンシーキャップの回数にもCV(コンバージョン)の最適化を指標としましょう。
あくまでもCVの最適化であり、最大化ではありません。最大化を目指すのであれば、ネガティブなイメージを持たれようが不快感を与えようが、フリークエンシー(接触頻度)が高ければCVにつながる可能性が高いため、フリークエンシーキャップは設定しないという結論になりがちです。
つまり、フリークエンシーキャップの最適な回数を求めるには、CVの最大化ではなくCPA(Cost per Acquisition/1件のCVにかかったコスト)の最適化を指標として最適な値を見出しましょう。
フリークエンシー(接触頻度)とCV、CPAを棚卸し、レンジごとに数値を見ていくと、どこかでCPAが高騰し、ある回数になると、そもそもCVが獲得できていないレンジが見えてきます。
(例)
フリークエンシーキャップのおススメ設定
フリークエンシーキャップは、「キャンペーン」単位や「広告グループ」単位、「広告」単位で日・週・月ごとに設定することができます。但し、キャンペーンで設定してしまうと、確実に表示回数は減ります。
CVの最適化だけでなく機会損失も防ぎたいなら『広告単位で設定』しましょう。
つまり、まったく訴求軸を変えた印象の異なる広告を複数用意し、広告ごとのフリークエンシーキャップを被せて、それぞれの広告の接触頻度を確保しましょう。
フリークエンシーキャップの最適な数値は、業種や商材・サービスによって変わりますし、競合や世間の動向によっても変化します。一度、キャップの設定をしておしまいではなく、絶えずデータを棚卸して最適な回数を検証しましょう。
そのためにも広告単位で設定し、接触頻度を確保しながらマーケティングデータが蓄えられる運用を心がけましょう。
ライター:6ちゃんねる