感動を分析するSTARとは? ~消費者のココロを掴む! 感動の法則 後編~

マーケティング

皆さんは最近「感動」していますか? 絶景を見たり、良いエピソードを聞いたり、小さな幸せを見つけたり……。何に感動するかは人それぞれですが、感動することは日々の生活のモチベーションになります。
また、ソーシャルメディアの発展に伴い、Twitterなどでは些細なミスが拡散され何かしらが炎上する一方で、「良い出来事・エピソード」なども多くの人が拡散し、共感され称賛するように、「感動」が比較的身近な存在になったと思います。
今回は広告・プロモーションを企画する段階で意識している「消費者のココロを掴む感動の法則」STAR分析について簡単にご紹介いたします。

 

 

そもそも感動ってどこからくるの?

 

「感動」とは経験したことのある記憶から由来します。これらのことを経験価値と呼び、それを支える要素として、次の5要素が存在します。

 Sense 感覚的経験価値…見た景色が綺麗だった。(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)

 Feel 情緒的経験価値…休日にソファーでゆっくりした。(心理的癒やし・感情)

 Think 創造的・認知的経験価値…新たな学びに出会った。(知的刺激)

 Act 肉体的経験価値…朝からランニングをした。(筋肉運動・ライフスタイル)

 Relate 文化や準拠集団との関係経験価値…家族とでかけた。(親族関係)

これらの要素を基準として、「感動」を分析する経験価値マーケティングを「STAR分析」と呼びます。消費者がいかに・なぜ・どこで「感動」しているのか研究するとともに、制作側が消費者をどのように「感動」させるのかを分析し創造する方程式です。

 

 

STAR分析とは?

 

第一に「感動」をする人(感動主体)に影響を与える2つの要因について説明します。

1.感動事象

感動主体を感動させる出来事のこと。
感動事象には3つの方があります。

SV型
・私は 夕日が 赤くなる のを見て 感動した。
私は(感動主体)夕日が(S)赤くなる(V)のを見て 感動した。

SOV型
・私は 私が マラソンを 完走した のを実感して 感動した。
私(感動主体)私が(S)マラソンを(O)完走した(V)のを実感して 感動した。

感動主体が感動事象内に存在しない型
・誰かが 子供を 助けている のを私は見て 感動した。
誰かが(感動事象の主体=感動経験を起こした人)子供を(感動事象の対象)助けている のを私は見て 感動した。
この場合は感動主体が感動事象の主体か対象に自身を投影している。

このように「感動」には「感動」をする人(感動主体)が誰に・ナニが・ナゼ感動したのかという要因が存在し、これらを更に分析する方法として次の感動経験があります。

2.感動経験

感動主体が感動事象に対して感動的な価値を得る経験のこと。
感動経験は、先に挙げた経験価値の5要素の組み合わせからなります。

・Sense + Feel  …五感で感じて(感動事象)感動する

・Think + Feel  …知見が拡大して(感動事象)感動する

・Act + Feel   …体験が拡大して(感動事象)感動する

・Relate + Feel  …関係性が拡大して(感動事象)感動する

 

 

STAR分析の2つのルール

 

「感動」をSTAR分析するにあたり、ルールが2つ存在します。

ルール1

Sense + FeelとThink + Feelの感動事象は主体で構成される。
景色に感動したり、問題の解き方がわかった場合には刺激を受け「感動」の要因を判断する主体が存在するので。

ルール2

Act + FeelとRelate + Feelの感動事象は感動事象の主体と対象で構成される。
・私は 友人が 頑張っている のを見て 感動した。
私は(感動主体)友人が(感動事象の主体)頑張っている(感動事象)のを見て 感動した。
有名なテレビ番組「はじめてのおつかい」などは完全にこの事象です。
・私は(感動主体)子供が(感動事象の主体)頑張っておつかいに行く(感動事象)のをみて感動した。

 

 

STAR分析の活用方法

 

1.分析したい製品やサービス、企画の感動経験をあげます。

2.リストアップした感動経験がどのジャンルに当てはまるのかを調べます。

3.Think + Feel の場合、感動した理由・原因について調べます。

4.さらに、その経験は「やった!」などのように口語訳できるか調べます。

できる場合それはAct + Feelの可能性があります。Act + Feel の場合感動主体が感動的に価値を得るまでに目的・動的な事象が発生しているので調べます。

5.さらに、その経験はRelate + Feel のように関係性の拡大へ関係するのか調べます。

これかを繰り返し行うと消費者が如何に・なぜ・どこで「感動」しているのか理論的に調査できます。

 

 

まとめ:後編では活用例をご紹介

いかがでしたか? 基本的な理論のところだったので、すこし難しかったかもしれません。後編では、活用例をもとに説明していきたいと思います。

ライター:鵺蠍膃肭臍

 

【次の記事】

感動を分析する!?STARフレームワークの活用法 ~消費者のココロを掴む! 感動の法則 後編~


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