前回に引き続き、これから動画制作に取り組む方に、気をつけていただきたい基本のノウハウについてシリーズ化してご紹介いたします。今回は特にPRや採用活動など、消費者や社外の人へ向けて動画を制作するという想定でお話します。
動画にたった1つの工夫――「○○」がないだけで機会損失が発生しているとしたらどうしますか? 今回は必ずつけてほしいあるモノについて、ターゲティングの観点からご紹介したいと思います。
目次
第二ステップは「ターゲットを設定する」
前回の記事で動画制作の第一歩は最初の打ち合わせで、「どんな動画をつくるのか?」を決め、情報を絞ることだとお伝えしました。次のステップは「誰がいつ見る動画なのか」想定するという作業になります。
これはマーケティングの知識も必要なちょっと難しい内容になるので、具体例を上げながら少し丁寧に見ていきます。
年齢・性別・職種から、ターゲット層を設定する
つくる動画によって、ターゲットがそれぞれ異なるというのは想像できるかと思います。
リクルート用動画なら就活生ですし、キッチン用品の使い方動画なら主婦、アミューズメント施設なら学生と、様々あると思います。
今回は仕事が忙しい社会人に向けて、長い通勤時間でもラクラクなビジネス鞄のPR動画を制作する場合を考えてみましょう。
ターゲットはいつ動画を視聴しているのか?
モバーシャルの調査では、動画が最も視聴される時間帯は18〜24時と、これはみなさんが普段動画を見る時間帯を考えても、概ね当てはまるのではないでしょうか。社会人、学生、主婦問わずいろんな層が動画を視聴している時間帯と言えるでしょう。その他、通勤時間帯、学生は休憩時間や昼休み、主婦の方なら家事が一段落ついた昼下がりといったように、視聴者層によって見る時間帯は変わるでしょう。
今回のターゲットである社会人の男性は、もちろん18〜24時の時間帯も視聴すると思いますが、通勤時間が長いということもあり、通勤時間帯の7〜8時の時間帯も見ると予想されます。
動画を見る時間帯からターゲットの状態を予測する
この最も動画が見られる時間帯に関しては、制作したあとの利用……たとえば、動画サイトにアップロードする場合、その投稿時間を決める際にも役立ちますが、動画制作前の段階では、視聴する時間帯から「動画を見るユーザーはどういう状態だと想定されるのか」予測するということが重要です。
先に上げた18〜24時だと、多くの方は仕事や学校が終わり、帰宅〜就寝のために時間を過ごしていると予想できます。
自宅などで、両手でスマートフォンを持って寝転がったり、スマートフォンスタンドに立てかけたり、あるいはPCで見ている人もいるでしょう。
音もイヤホンをして聞くよりは、スマートフォンやPCから直接流して聞いていると思います。
しかし、通勤時間帯となるとどうでしょう。音楽や動画イヤホンをしている人もいますが、ニュースサイトなどを見ている人はイヤホンをしていないこともあるでしょう。
つまりサイレント(無音)の状態で見ている人もいるということです。音声がなくても伝えたい情報は最低限伝わるよう配慮する必要があります。
音がなくても伝わる動画は 機会損失を防ぐ
音がなくても伝わるようにしておくことは、先に挙げたサイレントの状態で見ている人にも情報が伝わりますし、またユニバーサルデザインの観点でもメリットがあります。
一度、テレビをCMの間だけでも無音・字幕ありの設定で見てみてください。
まだまだ字幕がしっかりついているCMは少なく、音がないと意味のわからないものも多いです。
これが動画でも同じことで、せっかく視聴してもらったのに、アピールの機会を無駄にしてしまいかねません。
もちろん、動画において音響も重要な要素ではありますが、様々な人が様々な場面で見ることを鑑みて、音がなくても伝わるようにしておきましょう。
無音でも伝わる動画にするためには
伝わる動画にするために必要なことはたった1つだけ。それは字幕を必ず入れることです。
ナレーションありの動画の場合、ナレーションをそのまま字幕にすると膨大な量になってしまうので、要点を絞って入れる必要があります。ここでも「伝えたいことを絞る」ということが重要になってきますね。
一般的な字幕では、1秒4文字というのが基準になっているそうです。
ポイントは、完成したら一度動画を初めて見る人に見てもらうこと。
制作に携わっている人は内容が頭に入ってしまっていて、適正な文字数かの判断ができません。
初めての人でも無理なく読める量になっているかを確認しましょう。
まとめ:字幕をつけることで機会損失を防ごう
今回はターゲットに合わせた動画づくりに関して、音にフォーカスして紹介しました。
次回は画面比率についてお話します。しっかりノウハウをゲットして、効果のある動画制作に活かしましょう。
ライター:buzz word
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