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動画市場の発展について
通信速度の向上やスマートフォンの普及によって、動画は一般の人にとってもとても身近なものになりました。誰もが動画を撮影・編集するクリエイターになることができ、多くの人がスマートフォン一つでいつでもどこでも見ることができるようになりました。
更に5Gが普及することで通信速度等が向上することにより、高画質・高クオリティ化などその波は今まで以上に大きくなります。
もう既に、動画コンテンツは無視することの出来ない市場へと成長しているのです。
よくある悩み:動画コンテンツが見られない
動画制作を行っていると、度々「動画は作ったはいいものの、それをどう知って貰えばいいの?」という疑問を耳にすることがあります。
ある企業様では、会社の雰囲気を伝えるイメージビデオを作り、それをHPにアップしたは良いもののサイトへの訪問社数の変化はないので動画の存在をあまり知ってもらえなかった、ということがあったそうです。
実際、動画コンテンツ自身は文字では伝えきれない情報を視覚的・聴覚的に補填出来るという優れたコンテンツではありますが、それがあるだけでHPへの訪問者数が増加し知って貰えるというのは難しいでしょう。
動画は良いのに「見てもらえない」「伸び悩んでいる」。実際、これらの悩みは個人や企業を問わず多くの方が思うことでしょう。
今回は、そんな方たちの為の無料で出来る動画コンテンツの認知・視聴施策であるYouTube SEOについてご紹介をさせていただきます。
YouTube SEOについて
SEO(エスイーオー)という言葉はウェブサイト関係で良く聞く言葉ではないでしょうか。
Search Engine Organizationという言葉の頭文字を取った言葉で、直訳すると「検索エンジンの最適化」という意味になります。
検索エンジンとはインターネット上の検索システムのことで、GoogleやYahoo!などはそこに分類されます。検索エンジンを用いた検索結果をより上位に出す為の最適化の事をSEO(SEO対策)といいます。
実際、同じ検索ワードでも検索結果において1番上に表示されるのと10番目に表示されるのではウェブサイト自体の訪問者数に大きな差があります。
リスティング広告などはお金を払うことでその検索結果よりも上位に表示されるのですが、SEOは無料で行うことが出来るので多くの企業が長期的に取り組む施策となっています。
そして多くの企業がウェブサイトのSEO対策に力を入れているのに対して、動画のSEOというのはあまり注目されていません。
動画コンテンツと言えば現在ではYouTubeが主流ですが、そんなYouTubeにも検索順位が存在し上位に表示する為のSEO施策が存在しています。
動画コンテンツについて:再生時間の重要性
ウェブサイトでもそのサイトの内容やページ内部の文字数などがSEOに影響するように、YouTubeにおいても動画コンテンツの内容が検索順位に影響を及ぼします。
動画コンテンツの内容に関して特に気を付ける必要があるのが「導入部分」と「動画コンテンツの長さ」です。
その前にYouTubeの検索順位とはどのように決まっているのでしょうか。
実は、こちらに関しては要因がはっきりとは言われているわけではありません。
しかしYouTubeも検索エンジンであることから、ユーザーにとって有益なコンテンツがより上位に表示されることは明白です。
であるならば、ユーザーにとって有益な情報とは何ぞや?という話になってきます。
ユーザーにとって有益かどうかを判断する指標は「再生回数」や「チャンネル登録者数」と思われがちではありますが、実は重要なのは「再生時間」とされています。
再生回数じゃなくて再生時間?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
しかしユーザーにとって有益であるという事は、見ている動画コンテンツがユーザーが求めている情報と一致する、という事に繋がるのです。
そして、動画コンテンツの中身がユーザーが求めている情報であればあるほど長くの時間再生して貰えることになります。
だからこそ、ユーザーが求めている情報にマッチしている動画=再生時間の長い動画として認識され、検索順位向上の為に大きく評価されます。
この評価方法はウェブサイトなどでも共通するものがあります。あくまでユーザーファーストに考えることがSEOのコツなのです。
それを踏まえた上で導入部分と動画の時間というポイントについて考えていきましょう。
改めて導入部分に関して、これは「この動画がユーザーの求めている動画なのか」という事を伝えるポイントになっています。
最初の15秒でユーザーを惹きつけることが重要である、とよく言われています。
その15秒でユーザーが離脱してしまうと、再生時間も伸びず評価に繋がりにくい結果となってしまいます。
次のポイントは動画の長さに関してです。
最初の15秒で動画に惹きつけた後、どれほどの時間を閲覧して貰えるでしょうか。
1時間や2時間の超大作を見てもらえれば越したことはありませんが、適正時間は4~6分程度とされています。
動画コンテンツはあまり長いと見てもらえない、という特徴がありますが30秒や1分などあまり短い時間はYouTubeのSEO的には良くないとされています。
「短すぎるとSEO的には良くないが、長すぎてもユーザーが離脱してしまう」そのジレンマを解決するために内容をぎゅっと詰めたクオリティの高い動画にしたり、YouTubeの機能で任意の時間にタイミングにジャンプできるタイムスタンプ機能等でユーザーの満足度を上げても良いのかも知れません。
アップロード時設定すべき5項目
動画の中身に関しての話の次はYouTube上で行うことについての話になります。
どれだけ良い動画を作ったとしても、こちらの作業を怠ると動画はあまり伸びません。
より多くの人に見つけてもらい、興味を持ってもらいそして更に満足してもらう必要があるのです。その為には何も考えず動画をアップロードするのではなく、どうすればユーザーの為になるのかと考えながらの工夫が必要になります。
こちらは、YouTubeにおいて動画をアップロードする際に出てくる画面です。
(本来は縦長なのですが、スペースの都合上半分にさせていただいています)
様々なカスタマイズが可能なのですが、今回はその中でも特に重要な5つのポイントをご紹介します。
① タイトル
文字通り動画のタイトルです。ユーザーがどんな言葉で検索した時に出る動画かを、動画コンテンツの内容に沿って付ける必要があります。例えば動画コンテンツが卵焼きの作り方を紹介する動画だとして、タイトルを「すごい驚く卵焼き」とするか「3分で出来る!簡単おいしい卵焼きの作り方」とするのでは大きく違いますよね。インパクトのある名前で目を引くことも重要ですが、最初のうちはわかりやすさを重視する方が優先です。
② 説明文
「この動画がどんな動画か」という説明を入れる箇所になります。
自由な文章をいれることが可能なので、商品紹介の動画などにおいてはこの欄に商品の紹介ページのURLを貼るなども可能になります。
動画のキーワードとなるワードを決め、自然な流れでタイトルや説明文に織り交ぜることにより検索結果の向上につながります。
ユーザーの満足度を高める為の施策として「#(ハッシュタグ)」と「タイムスタンプ」があります。ハッシュタグは、クリックすることで同じハッシュタグが付いている動画を検索することが出来ます。ちなみに、ハッシュタグは説明文のどこにいれても問題有りませんが、タイトルの上に表示されるのは説明文の上から3つのハッシュタグのみとなっています。次に、タイムスタンプは同じ動画の中での時間指定のジャンプ機能です。複数の項目にわたる動画の場合、ユーザーが見たい箇所まですぐに飛べることが出来るのでユーザーの満足度の向上につながります。こちらはアップロードの際の説明文で半角で時間を入力することで実際の動画の概要欄にジャンプの為のリンクが生じます。
③ サムネイル
動画を検索した際に表示される画像のことです。YouTubeのアップロード画面ではデフォルトで動画コンテンツの中から自動で生成されたものから選択することが可能です。しかしどんな動画なのか視覚的に理解しやすくするための文字などを加えたオリジナルのサムネイルなどの方が見てもらえることが多いため、YouTubeとしてもオリジナルサムネイルの使用を推奨しているそうです。
④ 再生リスト
自分の動画内でカテゴリを決め、それごとにまとめるリストです。
同じカテゴリごとに区分することでユーザーが欲しい情報を見つけやすくなります。
⑤ タグ
この動画がどういう動画かというものをYouTube側に伝えるものとなっています。
ハッシュタグとは違いユーザーには見えない場所とはなりますが、動画のカテゴリや内容など関連する語句の入力を行います。
まとめ:いろいろな手法で改善していく
さて、如何だったでしょうか。
ウェブサイトのSEO対策においても言われることではありますが、SEO対策は即時で効果が出るものではありませんし、「これをしたら確実に成果が出る!」というものではありません。幸いにもYouTubeにはアナリティクス機能もありますので、どういうユーザーの流入経路や幾つかの解析が可能です。動画の軸となるようなキーワードに関してもいくつかのツールが出ていますので、そういったツールを駆使しながら説明文やタイトルなど工夫して、動画の認知を広げるための施策に取り組んでは如何でしょうか。
ライター名:うまのお肉