普段何気なく見ている「文字」。駅で見かけるポスター、本の表紙、営業でもらった名刺…実はそんな日常の「文字」に、デザイナーのちょっとしたこだわりがあるのをご存知でしょうか。
まず、下記の文字を見てみましょう。
意識しなければ何も感じないかもしれませんが、世のデザイナーは「モヤッ」としたのではないでしょうか。デザイナーがモヤっとしたポイント、それは…
「文字同士の間隔」です。
そのまま文字を打っただけでは、たとえパソコンが数値上均等に配置していても、文字の形はそれぞれ違うので人の目には間隔が同じようには見えません。
そこでデザイナーが行うのが文字同士の間隔を調整する「カーニング」です。
文字を打って終わりじゃないの!?そんな細かいことまでしているの!?と思われるかもしれませんが、カーニングをするのとしないのとでは美しさが違います。
長い文章は使用しているソフトの文字設定で一括調整することが多いですが、
タイトルなどの主役級の文字は手作業でちびちび修正することも多いのです。
私は美術学生時代「文字と文字の間に、同じ量の牛乳を注ぐと思ってカーニングしろ!!」と教授に言われたものです。
そんなカーニング力、実は簡単に鍛えられます。
https://type.method.ac/
デザイナーの人はもちろん、デザイナーでない人も遊び感覚で楽しく「カーニングってこういうことか〜!」と、また一歩デザインが身近に感じるかもしれません。
カーニングをしなくても、文字なので読むことはできますが「かっこいい!」と思うものは必ずカーニングがされているはずです。
意識をすると、街中の文字をみるのが少し楽しくなりますよ。
ライター:名護泰樹