今さら聞けない基礎知識 〜プロモーション・広告・広報・販促・PR・SPの違いとは?〜(前編)

マーケティング

 

 

 

 

マーケティングをはじめ、ビジネスの現場でよく使われる「プロモーション」「広告」「パブリシティ」「広報」「販促」「PR」「SP」…
どれもよく耳にする似たニュアンスの言葉ですが、それぞれの言葉の意味や役割の違いについて、しっかりと理解できているでしょうか?
現場でなんとなく使い分けているけれど、仕事相手と話していると認識がちょっとズレている… けれど改めて説明しようとすると意外と難しい… という経験はないでしょうか?

こうした認識を曖昧なままにしておくと、他部署や社外の人、特にはじめて一緒に仕事をする相手との間で大きな行き違いに発展するリスクがありますので、
今回はこのような混同されやすい言葉について、マーケティング・ミックス(4P)、プロモーション・ミックスの構成を元に改めて解説いたします。

 

プロモーションとは

まず、マーケティングの現場でよく使われる「プロモーション」から解説します。
「プロモーション」とは、マーケティング(販売戦略)活動のひとつで、消費者の購買意欲を促進するための活動のことです。

アメリカの経営学者でマーケティング界の第一人者フィリップ・コトラーは、「プロモーション」とは、自身が提唱した「マーケティングミックス(4P)」のひとつであると提唱しています。

 

マーケティング・ミックス(4P)とは

マーケティング・ミックス(4P)とは、アメリカのマーケティング学者、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが提唱し、後にコトラーも採用した、マーケティング戦略を立てるため4つの情報(製品/価格/プロモーション/流通)を元に分析を行う考え方です。

Product(プロダクト=製品)

Price(プライス= 価格)

Promotion(プロモーション= 広告宣伝・販売促進)

Place(プレイス= 流通)

 

このうち「プロモーション」としては定義される範囲が広いため、さらに4つに細かく分類するのが下記の「プロモーション・ミックス」になります。

 

プロモーション・ミックスとは

プロモーション・ミックスとはプロモーション活動を構成する4つの要素です。

Advertising(広告)

Public Relations(パブリシティ)

Sales Promotion(セールスプロモーション=販売促進)

Personal Selling(人的販売)

 

広告…企業がメディアの有料の広告枠を用いて宣伝をすること。
パブリシティ…メディアが企業・商品・サービスなどの情報を自主的に報道すること。
販売促進…消費者の購買意欲を高め、直接的に商品の購入やサービスの利用を促す活動。
人的販売…セールスマン(営業員や販売員)を通じて行われる販売に関する活動。

このように「プロモーション」とは大きく4つに分類された消費者とのコミュニケーション全般を指します。
またプロモーション戦略の手法として「広告」と「パブリシティ」は【プル戦略】、「販売促進」と「人的販売は」【プッシュ戦略】に分けられます。

【プル戦略】

消費者に認知を促して購買意欲を高め「引き込む戦略」→ 長期的・間接的
例/広告、コンテンツマーケティング、SNS、口コミなど

【プッシュ戦略】

関心を示した消費者に購買を促し売り込む「押しの戦略」→ 短期的・直接的
例/店舗での販売、訪問販売、通販番組、電話営業、DM、メール配信など

 

マーケティング・ミックス(4P)とプロモーション・ミックスの関係

 

それでは、ここからは残りの要素「広告」「パブリシティ」「販売促進」の定義や役割についてさらに詳しく解説します。

 

広告とは

広告とは、企業がメディアの有料の媒体を用いて自社、商品、サービスなどを広く世間に宣伝することです。
一般的に企業側がメディア(テレビCM、チラシ、新聞、雑誌、インターネットなど)の広告枠を買い取り掲載広告を出稿します。
広告内容や掲載期間なども企業側で決めることができるので、ターゲットとなる消費者に刺さるようなメッセージ性や話題性のある広告物となることが多く、マーケティング=広告宣伝と思われるほどメジャーなものです。

また、広告物と販促物は同じものだと思われがちですが「広告」はプル戦略として「長期間で間接的に認知拡大をしたり消費者の興味を引くこと」を目的としているのに対し「販促物」はプッシュ戦略として販促活動のために企画制作され「短期間で直接的に消費者に購買してもらうこと」を目的としているため、最終的な目標や役割が異なります。

 

パブリシティとは

パブリシティ(publicity)とは、PRの一種で、企業や商品、サービスに関する情報をプレスリリースや取材応対などを通じて、テレビや雑誌などのパブリックなメディアに提供し、報道として内容を取り上げてもらえるように働きかける活動のことです。
日本語では「広報」とも表記されます。

広告と違い、メディアに対して料金の支払いは発生せず、報道(掲載)される内容、取り扱い方、発信のタイミングなどはメディア側に委ねられています。
そのため企業側がコントロールすることはできませんが、メディアが発信する情報なので信頼性は高いとされています。

 

後半では「PR(パブリック・リレーションズ)」「広報」「販売促進(SP)」について解説します。

後編に続く

https://conze.co.jp/croom/marketing/knowledge-part2/

 

こちらもぜひご覧ください。

今さら聞けない、「3C」「4P」って?

ライター:PEANUTS


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